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アトリエ・バックヴィッツ

｜『カーニバル・パリジャン』1920年
アトリエ・バックヴィッツ

『カーニバル・パリジャン』
Le Carnaval Parisien
アトリエ・バックヴィッツ刊行
1920年　オーストリア　ウィーン
第一出版

手彩色石版画24図（完全本）入り

63人の仮装した女性たちが絵がれています

衣装は日本の芸者、中国、スペイン、エジプト、オスマン帝国のハレム、コメディア・デラルテのピエロやハーレクイン、メキシコ、マリー・アントワネット時代、フランス革命時代、トランプ、化粧品、蝶々、薔薇、民族衣装などにインスパイアされています

激動の20年代とジャズの時代を感じさせるシュールな衣装も多い

破れ、ほつれの図装装丁を和紙で補修済み

冊子　サイズ縦41cmX横31cm　厚さ0.6cm
シミあり
紙の劣化あり

出版社はウィーンのアトリエ・バッハヴィッツ
1898年から1939年まで、『シック・パリジャン』、『モダンの時代』、『グランド・モード』複数の高級ファッション誌を発行していたほか、独自のファッション・デザインも行っていました

一点一点美しい豪華な石版画が特徴的です、当時の雑誌はすでに安価のカラー印刷が使用できたのですが、あえて芸術性の高い石版画で作製しています

ユダヤ人迫害によりそれまでの雑誌はほぼ全滅状態にあり、現存してるこの冊子や図はひじょにめずらしいレア本となっています

アーノルドとロジーヌ・バックヴィッツ夫妻

オーストリアのユダヤ人家族、アーノルド・バッハヴィッツ（1854年-1930年）とその妻ロジーヌ・バッハヴィッツによって設立された会社です
1908年、ウィーンにアール・ヌーヴォーのアトリエ兼住宅である「パレ・ド・ボザール」を建設しました（現在は大使館や美術館が入居）

パレドボザール

パレの中

パレの上

最盛期には1,000人のデザイナー、アーティスト、ドレスメーカーが在籍し、パリ、ロンドン、ベルリンにオフィスを構えていました

このエレガントなポートフォリオが出版されてからわずか3年後、ナチスがオーストリアに侵攻し、出版社を掌握しました

ロジーヌと娘のアリスは1942年に強制収容所で殺害され、彼らの雑誌はナチスのプロパガンダ本になってしまいました